がん増殖抑制効果がある食物(疫学的情報)

通常私たちの体の中では血管の量やバランスがうまく保たれていますがこの血管を作ったり維持したりするプロセスのことを「血管新生」といいます。この血管新生は体のいろいろな場面で活発となったり不活発となったりします。例えばケガをした時に体が傷を治すために必要な物質や多くの酸素を運ぶ血管が必要だと判断すると「血管新生因子」というタンパク質が出てきてこれによって新しい血管が作られます。そして傷が治り血管が必要でなくなったら逆に血管新生因子の阻害物質を出して血管新生を抑制します。このように血管新生は促進と抑制のバランスがしっかりとコントロールされています。一方で癌はこの血管新生のシステムを巧みに利用して自らを成長させているこがわかっています。癌は無限に増殖を繰り返して大きくなってくるのですが癌が成長するためには栄養が必要となってきます。癌細胞は血管新生を促進させる物質を放出して毛細血管をおびき寄せ血管のネットワークを作り栄養を吸収して大きくなります。が癌の血管新生を阻害すれば癌細胞への栄養供給を止めることができ、癌の成長を抑えることができます。この血管新生を抑える治療薬はすでに開発されており様々な癌の治療成績を大幅に向上させています。人間の体にはもともと血管新生を上手に調節するシステムが備わっていて癌が大きくなるのに必要な血管新生を途絶えさせて癌が発生しても成長しないようにしています。この防御システムは食べ物によって最大限に引き出すことができます。ある種の食品は血管新生を抑える作用があることがわかっていてアメリカの研究では抗がん剤や一般の薬の他に一部の食品が強力に血管新生を抑えることがわかっています。効果が抗がん剤と同等あるいはそれ以上の食べ物として「にんにく」「大豆」「ベリー類」があります。

血管新生阻害効果が高い食品

◆大豆◆

大豆には血管新生を阻害するイソフラボンという生理活性物質が含まれていて、特にゲニステインという成分に強力な血管新生を阻害する作用があると言われています。また納豆などの発酵大豆食品にはイソフラボンがさらに高濃度に含まれています。豆乳、納豆、煮豆、みそ、などの大豆食品を毎日摂取するようにしてください。

◆にんにく◆

「にんにく」にも強力な血管新生の阻害作用があります。アメリカの国立がん研究所が1990年にまとめた「癌の予防に効果のある食品(デザイナーフーズ)」のうち「にんにく」は最も癌予防に効果がある食品に分類されています。また「にんにく」には二硫化アリルという成分がっ含まれており抗酸化作用や抗炎症作用があって癌の発生を強力に抑えると考えられています。

◆ベリー類◆

フルーツの中では特に、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、などのベリー類が血管新生を抑制することがわかっています。イチゴには血管新生を強力に阻害するエラグ酸という物質が含まれており、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンは血管内皮増殖因子(VEGF)により誘発される血管新生を阻害する作用が確認されています。

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