癌とアスピリン
炎症を抑えるアスピリンで癌が半減
アスピリンは有名な解熱鎮痛剤ですが少量の処方で血液が凝固する血栓を防ぐ効果があり、心筋梗塞や脳梗塞の再発予防にも使われていますが最近ではがんを予防するだけではなく、がんによる死亡リスクを低下させる効果もあることが話題となっています。
2011年のランセットという医学雑誌によると25000人以上の患者をまとめたデーターで毎日75㎎以上のアスピリンを服用していた患者の癌による死亡が20%低下していた。特に5年以上の長期に渡ってアスピリンを服用していた胃や大腸を含む消化器の癌の患者の場合、癌による死亡が50%以上低かった、つまり半減していたという驚くべきデーターでした。
アスピリンの服用によって癌の生存率が改善するという研究結果として⇒2017年にジャーナル クリニ オンコロジー(J Clin Oncol)に発表された文献で、大腸がんの診断をうけた617人が対象となり癌診断後のアスピリンの服用歴と生存期間を調査し、癌の組織のPD-L1という免疫チェックポイントに関連したタンパク質の発現の低い患者と発現の高い患者に分けて解析し、その結果PD-L1の発現の低い患者ではアスピリンの常用により大腸がんの死亡リスクが84%も低下していました。